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【チェスの魂】ポーンの基礎知識

ポーンについて

「ポーンはチェスの魂」とは名チェスプレイヤー・フィリドールの言葉。

終盤戦で駒が全て交換されるとチェックメイトできる戦力が足りなくなります。

そこで大事なのがポーンのプロモーション。

ポーンが相手の陣地最後段に到達するとキング以外の駒になることができます。(ほぼ最強の駒クイーンに)

勝負の行方は相手より早くプロモーションできるかどうかにかかっています。

 

終盤戦の面白さをより深く知るために、まずはポーンについての基礎知識を覚えていきましょう。

1. パスポーン

パスポーンとは相手のポーンに邪魔されないポーンのこと。

プロモーションする可能性が一番高く、終盤戦でとても大事なポーンになります。

 

白のd4ポーンはc、d、eファイル(縦の列)に黒のポーンがいないので進めていけば必ずd8でプロモーションすることができます。

それに対して他のポーンはどうでしょうか?

白のa、bポーンは黒のポーンに邪魔されて身動きが取れません。

gポーンは1マス進めると黒のhポーンに取られてしまい、今度は黒にパスポーンができてしまいます。

パスポーンは他のピースのサポートがなくてもプロモーションができることをしっかり覚えておきましょう。

 

相手にパスポーンができた場合は動けないようしっかりピースでブロックすることも忘れずに。

2. コネクテッドポーン

コネクテッドポーンとは二つ以上のポーンが並んでいる状態。

特に上の図のようにコネクテッドパスポーンはキングの行動を制限できるためとても強力です。

黒キングがdポーンを取ってしまうと・・・?

 

eポーンに追いつけなくなってしまうので、キングはコネクテッドパスポーンを取ることができません!

キングはd6とe7をうろうろするしかできませんが、aポーンがプロモーションして白の勝ちです。

 

キングや他のピースのサポートがいらないので、終盤でこの形ができるように意識しましょう。

 

3. ポーンチェーン

ポーンは斜め前のマスを攻撃するので、ポーンを斜めに連結させておくとポーンがポーンを守る形になります。

このような形をポーンチェーン(ポーンの鎖)といいます。

 

ポーンは機動力が低くピースの攻撃に弱いですが、ポーンチェーンの形になればピースで取ることが難しくなります。

 

ポーンチェーンは一番後ろのポーンが弱点となります。

相手にポーンチェーンができている場合はピースで一番後ろのポーンを攻撃しましょう。

逆に自分の一番後ろのポーンを取られないようにピースでしっかり守りましょう。

 

4. ダブルポーン

ダブルポーンはポーンの悪形の代名詞と言ってもいいでしょう。

縦に2つ並んだポーンはお互いに守ることができず、後ろのポーンの前進を邪魔しています。

駒交換をした後に自分のポーンがダブルポーンにならないように気をつけましょう。

特にキング前のポーンがダブルポーンになってしまうとキングが危険になります。

 

ダブルポーンになるとポーンの連結ができず守りにくい。

 

キング前のポーンがダブルポーンになるとメイトされる危険性が高まります。

 

 

5. アイソレーテッドポーン

アイソレーテッドポーンとは孤立したポーンのこと。

隣のファイルにポーンがなくポーンチェーンが作れない状態のポーンです。

ポーンを守るためにピースの動きが制限されることも多く、弱点になりやすいです。

 

白のdポーンがアイソレーテッドポーン。

dポーンの守りにルークが縛り付けられることが多い。

 

黒はポーンチェーンで連結できる状態をつくりやすく、ルークをアクティブに使うことができる。

 

6. バックワードポーン

出遅れポーンとも言われ、終盤戦で弱点になることがあります。

 

図のように相手ポーンの攻撃しているマスに入ってしまうので動くことができません。

動かしてしまうと黒が先にプロモーションします。

 

7. アウトサイドポーン

主に一番外側のファイルに有るポーンのこと。

最終盤で相手キングの動きを制限することができます。

 

白はアウトサイドパスポーンが2つ、黒は中央にコネクテッドパスポーンが2つ。

この場合、白は黒ポーンの前をうろうろしてプロモーションを止めることができますが、

黒キングは2つのポーンを同時に追いかけることができず白が必ずプロモーションできます。

 

 

以上がポーンに関する基礎知識です。

ポーンの働きと特徴を知っておくと終盤戦で有利になることができます。

実戦で指してみて、理解度を高めていきましょう。